不況が続いているこのごろ、アメリカ人の約半数がお金や仕事の心配をかかえているそうです(*)。 不安やストレスにうまく対処して、人生を立て直す人がいる一方、うつやアルコール依存などいろいろな障害に発展する人もいます。 無力な状況下では、せめて心配することによって、役立っている気分になる人もいます。 一瞬も休まず活動して不安を紛らわせたり、家族に八つ当たりして家族関係が悪化することもあります。 気分の落ち込みや不安、睡眠障害が気になる人は、医師や心理カウンセラーに相談するといいでしょう。
苦境の中で、「私はだめだ。人間のクズだ。この不景気に仕事がみつかるわけはない。 取り返しがつかない。もうダメだ」というような、坂を転がり落ちるようなマイナス思考を繰り返していては、 落ち込む一方で、力はわいてきません。「まあ、いいさ。今度頑張ろう」というように考えられることが、苦境を乗り切る大きなカギです。 就職活動には活力や、ハリのある声や笑顔が必要です。 そのために神経を休め、必要な活力を生み出す時間を作りましょう。 毎日少しでもいいから、心身のバランスを取り戻す時間を作ったらいかがでしょう?
80年代のトップスター、ミッキー・ロークは、20年近いブランクを経て、見事にハリウッドにカムバックしました。 その体験から彼は、苦境を耐え抜くには、 (**)「よく眠り、よく運動し、よく食べ、祈れ。そして飼い犬を大切にせよ」 というアドバイスをしています。 しっかり寝て、食べて、運動するというのは基本的な自己管理で、体だけではなく、心の健康に大いに役立ちます。 祈りは、自分にはどうしようもない状況下での精神安定に役立ち、集中力を高めるという説もあります。ペットは心をなごまし、孤独を和らげます。
瞑想は心身をリフレッシュさせ、活力を生みます。 5分でもいいから、楽な姿勢で座り、静かに呼吸します。 吐く息と共に疲れや緊張が排出される様子を思い浮かべます。 吸う息とともに新鮮な空気が体に入る様子を思い浮かべます。 「大丈夫。自分はよくやっている。今日はがんばったね。お疲れ様」などのはげましの言葉を自分にかけてもいいでしょう。 はげましの言葉というのは、自己批判度が高い完ぺき主義者にはかなり有効です。 「あれもしなければ、これもしなければ」というように常に時間に追われている人は、神経がオーバーヒートするのを防ぐ意味でも、 瞑想をお奨めします。瞑想にはいろいろな種類があります。一つか二つ自分に合った瞑想法を持つと、眠れないときにも神経が落ち着きます。 ご希望の方にはグラウンディングとプログレッシブ・リラクセーションなどの瞑想を教えています。
この記事は2009年3月20日号のベイスポ誌に「医療のあれこれ - ストレス管理」として掲載されたものです。
(*)2009年2月25日ABCニュース・ワシントンポスト誌調査より引用。
(**)2009年1月29日号 Time誌より引用。