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うつ病 その2

· うつ病,心の健康

うつ病の治療は、各種心理療法と薬物療法が主流ですが、常に進化しています。マインドフルネスなどの瞑想や運動は、研究結果に基づき有効だとされています。うつ病は心の病気であると共に、脳神経的な病気です。自律神経系や脳のバランスをとりもどす治療法を行う心理セラピストが増えています。 

白黒からカラーの世界へ 

うつになると、悲しみや怒りもヴェールをかけたように、遠のきます。同時にすべての感情のヴォリュームが下がってしまいます。そのために喜びも感じられないのです。頑張ろうとするエネルギーと、休もうとするエネルギーが戦っている状態になり、凍りつきが起きます。前進も後退もできない、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態です。どんなに本人ががんばっても、自動的に凍りつき・解離反応が起きるので「なまけている」と責めてはかわいそうです。爆発がせき止められている火山のように、底には膨大なエネルギーが蓄積されています。そのような状態のとき、自律神経系に直接働きかけ、氷を溶かすように囚われているエネルギーを解放していく手法があります。安全にエネルギーが解放され始めると、いろいろな感情がよみがえってきます。白黒の世界に色がよみがえるかもしれません。 

体とのつながり 

うつになると体から解離したり、現実感がなくなったりすることがあります。そういうとき、何かを食べたり運動すると、体とつながる助けになります。今ここに自分がいるということを思い出し、足の裏を感じてみます。足の指を動かします。足を通して床や地面を感じてみます。腰が椅子に支ええられているのを感じます。うつになると筋肉も硬直しやすいので、体をほぐす工夫をしましょう。歩いたりストレッチしたり、暖かいお風呂につかったりします。 

環境とのつながり 

雑念や不安にとらわれていると、注意は内側に向き、どんどん内向していきます。だから回りを見回して、五感を通じて環境とつながります。壁にかかっているお気に入りの風景画をながめたり(視覚)、生け花のほのかな香り(嗅覚)を体で感じてみましょう。「花の香りがいいなあ」とか、「海が青くって、広いなあ」と感じると、姿勢が正され、胸が広がり、呼吸が深くなり、体に良い影響を与えます。内向していくことが重なると、対人不安やひきこもりにつながることがあります。規則正しい生活の中で、人とのふれあいの機会を維持しましょう。 

ストレス管理 

定期的に神経を休め、ストレス管理をすることが、うつの防止や回復にもつながります。 瞑想は簡単な割に多くの利点がある方法です。ただ黙って座るだけでは寝てしまう人もいます。 最初はだれかに誘導してもらうといいでしょう。 

 Setsuko "Robin" Yano, M.A., Licensed Marriage & Family Therapist (MFT245)