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ハワイで働く

パンデミックの影響とストレス

パンデミックで変わった就職状況

コロナ以前は、年間1千万人が訪れたハワイ。それを支えるサービス業、観光業が栄えていました。コロナの影響でハワイに住む日本人の就職状況は大きな影響を受けました。ロックダウンや渡航制限のため、観光客が激変したからです。

影響を受けた雇用主は、従業員をリストラしたり、休職させたり、就業時間を減らしました。2000年4月には失業率が23.8%に達したそうです。不定期に失業手当をもらえた人もいます。長引く営業規制により、閉店に追い込まれた飲食店もあちこちに目にします。

ワイキキは一時ゴーストタウンのようでした。ABCストアでさえも店舗を減らし、ベニア板で覆われた有名ブランド店がわびしく並んでいたのです。目にすると心が痛むので、あのころはワイキキを避けていました。 

2021年初夏から米国本土からの観光客が戻り、ハワイの失業率は7.7%に下がりました。一方2022年3月現在でも日本人観光客はもどらないので、日本人向け観光業の雇用は依然として厳しい状況です。

 

パンデミック下のインフレ

パンデミック下でもハワイの高い家賃は下がらず、インフレで生活費が上がっています。ハワイ州の最低賃金は、時給$10.10(2021年8月1日)で、全米平均より$2.85高いのです。しかし、家賃が高いホノルルでは、その賃金では1ベッドルーム(平均家賃$1,948)も借りられません。

National Low Income Housing Coalitionの調査によると、ホノルルで2ベッドルームの部屋を賃貸し、家賃の支払いを収入の30%におさえる場合、時給39ドルが必要とのこと。実情は、労働者の4人に一人は時給$23以下で働いています。そのため、共稼ぎは当たり前。親との同居やハウスメイトがいるのもやむなし。独身者はシェアハウスや間借りが普通。家賃上昇に賃金が追いつかないので、安い家賃の物件に引っ越す人もいます。パンデミック下で家賃や光熱費の支払いに困っている方は、家賃・光熱費補助のプログラム を参照してください。

 

仕事のストレス

ハワイで働く人々は、パンデミック前からも特有のストレスをかかえています。その上にパンデミックの影響が見られます。たとえば:

  • 人間関係:ビザスポンサーの会社から解雇され、ビザのステータスを失った。上司からセクハラ・パワハラを受けている。
  • 労働条件: コロナで従業員が減ったので、仕事が増えた。休日でも人手が足りないと、出勤を請われる。大企業の正社員でもシフトが一定しないので予定が立てにくい。家族と休日が合わない。子育て・家庭と両立しづらい。
  • パートで雇われても、オンコールでいつ働けるかわからないし、収入は不安定。物価と家賃に見合う給料をもらえないので、仕事を2つ以上掛け持ち。
  • 通勤: オアフ島の観光業は、ほぼワイキキ周辺に集中しているが、住宅が高くて狭いので、パールシティー、エバビーチ、ワイパフ、ミリラニから通う人も多い。ラッシュアワーにバスや高速道路を使う。車通勤でも駐車料金を会社が出してくれないので、自腹。
  • 観光客の増減により失業したり、収入が激減。再就職したいが、よい仕事が見つからず、やむなく別の業界で未経験の職種で働いている。

 

パンデミックの疲労と心身への影響

多かれ少なかれ、だれでもパンデミックに疲労しています。たとえば:

  • マスクや衛生に気をつかうことに疲れた
  • 長く続くパンデミックや規制に怒りを感じる
  • やる気や仕事の能率が落ちている
  • 落ち込み、涙がでる
  • 感染の不安。経済的な不安。仕事の不安。将来への不安
  • 思うように友達や家族に会えないさみしさと孤独
  • 行動規制による不自由さ
  • 摂食障害の悪化(パンデミック初期には38%の摂食障害者の症状が悪化したという調査があります)
  • リモートワークのため、家族といっしょにいる時間が増えたストレス。休校やリモート授業の子供を見ながら、自分も仕事するストレス。夫婦や家族関係の悪化

 

心身のバランスを保つ対策

このような状況で明るく前向きに暮らしていくための対策例:

  • いつものリズムを継続する。失業中の場合、特に。昼夜逆転しないよう、学生のような時間割を作り、規則正しい生活をする
  • 体に良い食事と睡眠
  • 毎日短い時間でもいいので体を動かす。オンラインのエクササイズクラスに入るなど。パソコンワークの人は肩こりや腰痛の予防のためにもストレッチする
  • 家族と励まし合い、楽しむ時間をもつ
  • 友人との交流を続ける。ズームで話したり、風の吹く公園でピクニックする。地域社会とのつながりを保つ。
  • コロナ太りに気をつける。甘いもの・カフェイン・お酒に注意
  • リモートワークで通勤しなくていいなら、その空き時間を利用し、ストレッチ、呼吸エクササイズや瞑想をする。美味しくて栄養のある食事をていねいに作る
  • ストレス解消になる趣味を続ける
  • 限られた活動範囲の中でも、心温まる時間を持ち、前向きなことを日記として記録する
  • コロナ下の心のケアの記事にも対策を書きましたので、そちらも参照ください。

 

 

2022年3月23日現在 (現況に合わないものもあるかもしれません)

参考サイト 

ホノルル平均収入(2021年10月9日現在)